猫の足跡 『紅蓮華』レビュー
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『紅蓮華』レビュー

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紅蓮華
メーカーEscu:de
原画ねこにゃん
シナリオ桐月                
点数75点



感想文コーナー

エスクード最新作である紅蓮華レビューになります。
ワンサマ、DD、joker、フツファン等々の非常に豊作な6月新作組で話題性がいまいち低かったような印象をもってしまった今作。実際に話題だけでいえばjokerが持って行ってしまったところがありますが終わってみれば非常に満足度の高い作品として出来上がっていた作品になっています。

物語は主人公が昔からある神社に行き、そこに封じられていた妖(あやかし)である「くおん」との出会いをきっかけに「異界」と関わることになる。
という割とありきたりな話。見どころは異界に関わるなかで様々な変化が起きる人間関係でしょうか。一部人外ですけどそういった点も含めての「変化」というのが重要な作品になっているのかなと。

若干古さを感じるところがあった今作ですが詳しいことは以下になります。
今回はネタバレ成分ちょっとあるというか語らないとならないってところがあるのでご注意をお願いします。

システム
画面が4:3なのが真っ先に気になったところ。最近は16:9が多いだけに画面が小さくなると今まで以上に窮屈な印象を持ってしまうのが残念なところ。とは言っても画面全体はきれいになっており必要なシステムは収納式だったりしてゲーム画面がごちゃごちゃすることはないです。
ただ、画面小さいのと配色のせいかメニュー欄はちょっと見にくかったです。ワイドなら問題ないかなとか思えてしまうだけに惜しいところです。

目を引く機能でみればフローチャートでしょう。前作にもあったそうですがこういうのがあると進行具合も分かりますし何より埋めるのが楽しく後からシナリオ見返すのにも便利ですので是非これは今後も使って欲しいし選択分岐多い作品であれば是非他社にも入れてほしい機能です。

総じてみれば充実していましたがやはり4:3だったのが個人的に惜しいと思った点。それ以外は非常にしっかりとしたシステム面になっていました。

音楽演出
まずは演出。
戦闘シーンが中心になっているのですがそれに対して演出がちょっとさびしい感じです。セリフ+爪の軌跡や投石カットイン、爆発カットインとやはり最近のアニメーションを導入しているものやグラフィックに凝ったところが多いだけに地味に感じるところが多い。グラフィックは十分綺麗なだけにそこに動きの演出も欲しいなと。
音楽は悪くないでしょう。場違いなBGMがあるわけでも切り替えが悪いということもないです。
ただED曲が残念。真エンドではオープニング曲ですし他ENDでは同じ曲、ノンボーカルというのはもう少しそこに力を入れてほしいと感じてしまうポイントでした。

立ち絵は少ないてか腕の上げ下げ程度と後は表情差分でしょうか。プレイ後に動きがあったか覚えてない程度には地味な動き。表情差分はコロコロ変わりますが絵は動かないといったところ。
ただ動き少ない割には見ていて飽きないという感じで意識すれば確かに立ち絵は少ないですがやっている間はそんなに気にならないのは表情差分が多めだからでしょうか。

どれも悪くはないのですが褒めるには微妙といったところ。演出不足、そんな感じに思ってしまう点が多かったのが非常に残念。あと1歩が欲しいところです。


キャラクター、シナリオ
原画にねこにゃん氏を起用してのデザインとのことで今までとはキャラクターから受ける印象はガラッと変更。
キャラ人気としてはプレイ前、プレイ後一貫してエウスリーゼ1強というのは魅力があるからってことでしょう。デザインもですがキャラクター付けが受けての1位というのがあるのでははいでしょうか。

Hシーンに関してはどれも1枚絵だったり短かったりとあまり良いとは言えないでしょうか。ただサブキャラ分もあるのでシーン数自体は多めです。

まずは主人公。一応能力を持っているのですが突起して強いというわけでもなくむしろ弱い方。ですが戦闘では今自分ができる手法を駆使してくぐり抜けるという姿勢は好印象。まぁよくある主人公図ってところです。度胸もあって意思も強いと中々にイケメン。

ヒロインズは総じてそれぞれが別アプローチで異界にしっかりと向き合えていてどのルートも非常に良い出来です。
全部に通じて言えることは心情変化が非常に上手に描かれている点です。これが本作最大の魅力といってもいいでしょう。
クリア後のスタッフコメントにもあったのですがキャラとの付き合いの期間や周りに合わせて変化していく様子を他キャラルートと比べてそれぞれにしっかりと差が出ているのも面白い点です。

個別で見ればくおん、リーゼの二人は異界の意味や本質への関わりという内容で物語の謎解き、実を知る為にルートでありながら人外である彼女らの人への理解というシナリオになっています。
くおんルートは正規エンドとのことなので割愛。ただこのルートが進めば進むほど主人公とくおんの関係が面白い事になっていくので是非最後にまわして一気に見てもらいたいです。
くおんと主人公の関係はどのルートでもニタニタしちゃうのですけどね。

その他人間勢は異界の謎とかではなく心の葛藤とのシナリオ。要は影の自分との対話ってところです。今風に言うならペルソナ4のシャドウみたいな感じです。
こちらも心情変化が上手い内容になっており人間なりの異界へのアプローチという一面も見られます。しかしコチラは〆が非常に弱いのがなんとも惜しい。異界へ関わり切れないので仕方ないといえば仕方ないのですが盛り上がりが良いだけに残念。

サブキャラ達の扱いは良いのかほぼ全キャラにHシーン付きの個別ありという。ただあくまでもシナリオの一部補完やありえたちょっとした可能性程度ですのでおまけ分だという程度の物になっています。
ないよりは全然マシだとは思いますけどね。現にサブキャラなのにトップ3に入っちゃう人とかいるぐらいですからね……


まとめて見れば前評判通りシナリオゲーとして非常に高い内容。ですが本筋がしっかりと通っている割にはそれに付属してもいいようなキャラ通しの掛け合いが少ないかなと感じました。第3者からの視点が無いというところですかね。折角心情変化が上手いのだから当事者以外の視点も欲しかったところ。
ですが全体通して自分なりの考察しつつ進める分にはちょうど良く物語の進行だけ見れば話の流れを悪くする要素が少ないともとれますのでこれはこれで良い調整とも言えます。
個人的には十分満足で掛け合いがもうちょっとあるのら更に満足という感じです。なんにせよ満足度は高いシナリオになっています。


総評
シナリオゲーと言ってしまっていい程文章は上手いです。自然な流れで出来る新しいヒントや変化の具合は一読の価値があると言ってもいいでしょう。個別ルートにいってもそこにあるテーマがぶれていないので読み物として求めるなら満足できる作品だと思えるのですが、どこか物足りなさもあるのが非常に残念。
文章が良かっただけにその周りの要素ももう一段階高いレベルで作って欲しいと思ってしまう作品でした。

これはスタッフコメントでも言っていることなのですが、もし今後やろうと思った方は是非最後にフローチャートを眺めてみると面白いかもしれませんよ。


それともうひとつ。
物語序盤の祖父宛の手紙が何だったか分からないままなのですが読み飛ばしてしまったのか直接は回収されていないのかが分からないままだったりします。要確認
[ 2012/07/15 02:50 ] レビュー | TB(0) | CM(0)
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