猫の足跡

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システムに関しては可もなく不可もなく、必要な物はひと通り揃っている感じです。ぶっちゃけシステム面なんて余程のことがないとマイナス要員にはならないし体験版だからオミットしている機能とかありそうなので言うことないですねー。

システム面というよりこれはデザインに関して。システム画面での文字が小さい、画面下部にある機能欄が小さいというのが気になるポイントです。狭いスペースに入れてくれるのはプレイ時に邪魔にならないので嬉しいのですがバックとフォントが合わさって分かりにくくなっちゃっているのが気になるところ。コンフィグ画面ももっと大きく使っていいのですよ、といったところ。両方共読めないってことはないのですけどね。

キャラ全般では非常に可愛いという一言に限りますかね。やってみるとわかりますがキャラ絵と声が合っていて可愛さマシマシといったところ。原画でヨスガから引き続きなのは橋本タカシ氏のみで他二方は今作からー、といったところ。
Sphereの癖なのかはわかりませんが塗りがふわっとしているというか軽いと感じる塗りなのはヨスガの時と同じですね。ヨスガに比べてどのキャラもデザインが格段に良くなっている感じです。
背景関連もきちっとしているのは嬉しいところ。表情差分、立ち絵差分も結構あるのかな、可愛いです。
キャラ付けとして主人公と美優樹の天然が凄いです。もう美優樹だけやっていればいいんじゃないかと思えるくらいには息ぴったり。やった感じでは本当に美優樹のキャラ印象強すぎるかなと、まぁ体験版なので推しているだけかもしれないのですが。
それにしても推しすぎですけどね・・・

ストーリー。
大災害で生き別れになった気がする妹をシスコン天然主人公が探す話です。舞台は災害復興が進み新たな体勢を整えた故郷となっていますがちょっとわけありの感じになっています。
体験版分ではギャグパートしかないと言ったところですが災害関連ではシリアスな話もあるんじゃないかと思えるポイントが見受けられます。主人公達が住民データーベースに登録されていなかった、というのがどう関わるのかがシリアスに関しても重要になりそう。しかし主人公が天然すぎと思えるので果たしてシリアスな流れに合わせていけるのか。

音楽その他
OPムービーの出来がいいです。その他BGMも悪くはなさそう。
効果音が多めでしょうか、ヨスガノソラがだいぶ前で覚えてないのですが演出面でも不足はないんじゃないかと。まぁ普通といったところ。
さて、体験版では行き先選択という形で選択肢が出るのですがこれがまた多い多い・・・面倒くさがりな自分としては一続きで説明をしてもらいたかったところですね。全部見なきゃいけないなら尚更。

総じてー、美優樹押しすぎです。
いろいろと微妙に感じるところが多い作品ですかね。イモウトノカタチってのはまぁ様々な意味での妹という意味なのはわかっているのですが一部どう妹に繋げるのかなという点、災害関連はシナリオとして気になりますがそれだけど言えばそれだけですか。
ただ主人公のキャラ付けがコメディ寄り、ヒロイン達もコメディ面が強すぎてこの流れでシリアスシナリオやられると中途半端になる予感がするのが最大の不安要素。後は隠しキャラ扱いの真結希がどう関わるのか次第でしょうか。
実妹メーカーとして今後行くならここでコケるわけにはいかないとは思いますけど果たしてどうなるか。気にはなるけどキャラデザインだけで購入まで踏み切るのはちょっと怖いといった印象を持った作品です。

minoriと言えば代表作のefは名作です。その後に発売されたedenも非常に完成度の高い作品じゃないかな、と思っています。
そんなminoriの内部事情がポロッとでている記事ですがなんとも残念なものだと感じます。

売上が伸びてこない要因でみれば割れなどの不正ダウンロードも確かに理由にはなります。
ですがこの記事見ただけではどうしてもすぴぱらを過去の作品のように広く多く売る作りにはなっていないのではないかとも思ったのもまた事実です。

正直な話、すぴぱらに関してはゲーム発売日が出るまで知らなかった作品です。
いざ調べればなんとも分かりにくい公式ページとTwitter上でのキャラクター、そして発売決定までの間にすでに知っていることが当然であり、わかっている前提でのキャラクター紹介というのは困惑しました。
ですが自分は原画に七尾氏やminoriなら、という考えから最終的には購入しどのキャラクターも気に入り、話も悪くはないものだと評価しています。
もちろん面白い作品であることは確かですし高い表現力はさすがminoriだと言えるクオリティに仕上がっています。

それでも売上が悪い、赤字になったのは過去2作のヒットに調子に乗っていたところはあるのではないでしょうか。
体験版の時点でやる気にさせる魅力は十分ありましたが基本的にイベント限定で金を出す価値があったかと聞かれれば一般的に見れば価値がなかったのではないかとも思います。
minoriが好きな自分の意見では参考にならないので調べた限りですが多くの方が興味を持たなかったと言っていることも事実です。
改めて、minoriファンに売るのが目的であるならもっと削れるところはあったのではないか。それ以上に多くの方に買わせるための広告方法はあったのではないかと思われます。
特に公式ページは非常に見難いこと。そして発売されてもなお追加されないサブキャラクターの欄に関してはもっと手を加えるべきポイントではないでしょうか。
ダウンロードが多いと嘆く前に、やれることがあるのではないかとユーザー側を舐めているとしか改めて考えるとそうとしか思えない運営方法だと感じています。

また、初期段階での鎌倉との関連性。コレに関しては現地に行って見てきたこともあって舞台として丁寧に描かれていますが鎌倉の紹介、というものは果たしてできていたのかというのも疑問になります。

物語のキーポイントになる舞台でモデルがあるところは本当に数カ所しかなく発売後めっきり鎌倉紹介はしていません。
聖地巡礼を公式で言っておきながらこの扱いはどうかと思われます。

そしてキャラクターのTwitterに関して。ユーザー側に親しみを持たせるためとしての方法としては悪くない、むしろ斬新で良い方法と捉えているのですがこちらも発売以降、特に今月に入ってから流石に動きがなさすぎるのではないかと。

ほたるに関してはすでに20日近く、桜も10日以上。アリスは細かく言っていますが「すぴぱら」という作品が完結するまで少なくとも全てのアカウントに責任を持つべきではないでしょうか。
動きが止まっているというのが非常に寂しいです。


言いたいことは本当に多いです、それだけ期待していたのですから当然なのかもしれません。
minoriというブランドを知り、業界でも大きな存在なのだと思っていました。その有名ブランドがこんな形で終わってしまうのだとしたらとても悲しくまた寂しい気持ちになると思います。
夏空を中止にしても構いません。今の素直な気持ちで「すぴぱら」を、多くのminoriファンが楽しみにしたこの作品を誰もが納得できる形でエンディングを用意して欲しい。ただそれだけです。
edenでみせたストレートな純愛物語を、あの他が追随することない綺麗な物語をminoriさんには期待しています。こんな中途半端な形で一度世に出した作品を終わらせてほしくはありません。もう一度、あの感動を待っています。

まずはライターさん関連で、北側寒囲さん。過去作品は未プレイな物だけですね。調べた感じでは青春群像劇が多いというぐらいしかわからないのでなんとも言えないところ。ぶっちゃけエロゲの8割は青春群像ですので。
キャラごとの掛け合いに定評があるそうで体験版やった限りでは不馴染みなメンバーなりにコミュニケーションが自然ととれているかなと。ただ展開が早いかなと思う所があるかなと現時点では感じましたかね。まぁプロローグなんで駆け足にしているのかもしれませんしこの先の多人数での掛け合いをやっていきたいとのことなら製品版に期待といったところですかね。

主人公について。
カナヅチってことで海難救助に対してどう生かすのかが気になっていた今作なのですが泳げるメンバーに対して泳げないってポジションを置くことで別の視点からってのを用意しているように感じました。
空気にならな過ぎず場を動かしてくれるような主人公になってくれてればいいなと思いつつ期待。主人公の成長も見物かな。

ヒロイン達
4人とも可愛いですね。デレ2人のツン2人でそれぞれ似ているけど上手いこと個性の違いが出ていますね。
デレ組のみなもと里帆は最初から主人公に気を許していて泳ぎが得意なのと不得意なのと別方向で物語を動かしてくれるのではないかと。そして可愛い。
ツン組のエルナと番長は予想通りベタなツンツンだなと、特にエルナの方はデレシーン見るのが楽しみないい具合のツンキャラでこれは推していきたいところ。

サブキャラ達
主人公の友人達はまぁよくある組み合わせといったところ。崇史の海に嫌われている設定がどう話に絡むのかが気になる所ですかね。
教師役がかわしまりのさんで耳が幸せです。何気に紅蓮華、レイライン、これと3作品全部に出ていますね。

メインサブ総じてキャラが可愛いのと個性的です。キャラ絵に惹かれたなら買ってみて良いのではないでしょうかね。安定の瀬之本氏ですしハズレはないのではないかと思われます。

システム、音楽、グラフィック等
システム面は問題ないのではないですかね。ちょろっと見た感じ次の選択肢がないのでころげてと同じように次への機能がないのかなという不安。これは実際選択肢が出るところまでやらないと分からないのでどうなるかは製品版しだい。
音楽はどれも良いのでは。ころげてもそうですけど作風が明るい作品は音楽で更に盛り上がってくれればやっている方も楽しいので。少なくともOPは非常に良い出来です。
グラフィックは海関連が綺麗だなーと。
演出としてキャラの立ち絵を拡大して叫ぶ等は見ていて楽しいかと。表情がコロコロ変わるのも良い演出です。

総じて
シナリオ重視よりも掛け合い等を楽しんでいく作品といった感じかと思われます。人間関係を描くという点で同じ目標を目指すキャラクター達の成長が見物になるかなと。話がそれだけで終わらずに内面的な方向までしっかりとフォローされている内容になってくればと期待です。
イマイチ短い体験版なので明確に掴めるものはなかったかな状態。ある程度気になっている方やメーカーファンの方等にはダメ押しになりますが初プレイの方にはイマイチ魅力が伝わらない感じですかね。
それでもストーリーやキャラデザ等に惹かれるものがある方は是非触ってみれば良いのではないかと。おそらく可愛い路線では期待に添えてくれるのではないかと感じると思いますので。

紅蓮華とは違う路線を行っていることもあるのでこっちはこっちで楽しめればと期待できる作品だと思いました。とりあえずはマスターアップ報告早くってところですけど、期待しています。

・システム
画面は最近よくある1280×720。演出関連でやや重たいところや痒いところに届かないシステム不足等はありますが最低限必要な機能は一式あります。
細かい機能としてはワイドスクリーンでプレイ時に画面表示をカスタマイズできる、音声の左右振り分け、マウスジェスチャなど珍しい項目があるのも特徴かなと。特に左右振り分けはやはりあると嬉しい機能ですね。キャラの位置が聴覚で分かるのはともかく表現の幅が広がっているのですから使わないのはもったいないですね。

不満点としては「次の選択肢へジャンプ」がないことですね。ルート分岐もほとんどが序盤で決まってしまうこと、共通部分が長いこともあってスキップ時間が必然と伸びてしまうのは中々辛いところでした。
個人的にはセーブ時コメント機能も欲しかったかなといったところ。選択肢セーブでメモとかお気に入りのシーンとかで一言書くことがあるので不便に感じましたね。

それ以外では標準通り。プレイするのに支障はでないです。
公式パッチで機能改善等あるのでプレイ前に入れておくことをオススメします。

評価点数80点

・演出
プレイしてすぐわかりますが非常に凝っています。
立ち絵等に影響がでない範囲での動きある背景や自然な表情変化等にとても力がはいっていますね。重い原因になっているのですがそこは目をつぶるところかなと。
作品の核でもあるグライダー関連ではこのアニメーションあってこそになっています。どうしても絵が止まりがちになるエロゲで疾走感を表現できるのは非常に大きいと思いますし、見疲れしない程度なので凝っていてもサクサクと進められるのもよい加減です。
ただ会話内容と表情変化があってないところがちまちまあったかなと言うのが惜しいところ。

会話ウィンドウ周りも余計な事していなくて良い感じです。
スキップ表示などで少し動きがあるのもシステムでオン・オフできるので特に気になるってことは無いと思います。

評価点数:90点

・音楽
ボーカル曲、BGM総じて文句なしです。
この作品が出そうとしている壮大な構成になっていて広さというのを感じることができるのではないかと思います。
作品の雰囲気を固められる曲が多いく自然と盛り上がれるようになっていますね。それでいて落とす所ではしっかりと落とせているのではないかと。
ボーカル曲もOPとEDどちらも高クオリティー。俗に言う名曲というラインナップには少し劣るかもしれませんがそれでも作品にあっている良い曲です。

ボイス半聞きのせいかもしれないのですがBGMがちょっと遅れて流れる時がありちょっと残念だった点になりますね。出来がいいだけに勿体無く感じました。

評価点数:90点


・グラフィック
最初に小鳥を見た時点で思ったのは綺麗だなというのを抱きました。全キャラ通してみれば可愛らしいデザインでまとまっているという点です。
原画2人ですがお二方ともに描きに差があっていいかなと思います。サブキャラクターが多いのですがメイン、サブ共にそれぞれ個性がしっかりと出ている描かれ方で見ていて飽きないです。
SDデザインも軽いノリで表現するという点を抑えてしっかりとした魅力がありこちらも文句なしです。

CGは十分というより多い方だと思いますね。特典パッチはないのでそちらの分は枚数でしか考慮できないのですが89枚とSD19枚の100枚超えであれば満足いく量です。
割合でいえば非エロとエロでは半々か差分込みでみればエロ多めかなと。ただ非エロCGに関してはグライダー関連のアニメーションや広い背景絵を使っていると感じたのでバランスはちょうどいいのかなと思います

立ち絵では双子に関しては不満点がいくつか。
同じ絵を使っているせいで細かいところで見れば違いは分かるのですが大枠が同じなため並んでいる事の多さも合わせて何とも言えない微妙な絵面になることが多々あった感じです。
後は体の向きが偏っているかな、と。
背を向け合って真ん中に話しているというような立ち絵はやっていて気になりました。
差分も多くて動きがしっかりとあっただけにそこが残念です。

評価点数:85点

・シナリオ
非常に完成度の高いシナリオになっています。
まず全体を通してみれば一貫性のある内容、読み応えがあるがサクサクと進めることのできるボリューム等純粋に読み物としてのクオリティー自体も高いですね。

内容としては青春です。等身大の学生による現実的な表現とエロゲ的な要素が邪魔しない程度に混ざっているのでゲームとして軽い物を読みたいと思う方にもある程度現実味がある物が読みたい方など幅広く勧められる内容となっています。
ノンフィクションとは比べられないのですがそれでも人間味溢れた内容になっているのは大きなポイントです。

まず主人公が中々格好いいなと。
運動系男子というせいか行動力あるし決断力あるしでニブイとかそういった事はなくアクティブなキャラになっています。
最近のラノベとかにいる主人公を毛嫌いする方は大分好きになれると思います。

ヒロイン個別ルートではどのルートでも同じ結末に対してそれぞれしっかりと差が出ている物になっています。
結果が同じ物だと過程も似たり寄ったりになるのではないかなと思っていたのですがキャラ付けがしっかりとできているからか同じ事をしているにしてもかなり違った視点や構成になっていることも大きなポイントです。
構成を変えていると言っていても軸はぶれていないどころか他ルートの補完までできていますね。
シナリオがロック式になっているのもネタバレ避けであって徐々に物語の裏が分かるのも魅力の一つです。
部活に打ち込む青春系に恋愛ストーリーを合わせていきつつエロゲにありがちな展開も外さないという要素が綺麗に収まっています。それでいてルート毎に明確な違いがあるため全キャラ飽きずに一気にプレイできました。

キャラの告白シーンや付き合い後に関しては心躍る展開があったな、と。
アクティブな主人公なせいで本当に格好いいです。いいぞもっとやれ。

Hシーンも各キャラ4回。双子はそれぞれ2回と2人で1回。これだけあれば十分だろといったところ。
予約特典のディスクでシーン追加がありますが持ってないので。
実用性があるかないかで言えばある方だと思います。構図が中々に良いかなと。

ここまで熱い青春ストーリー物は珍しいと思えます。もちろん青春だけではない物語となっているのですが所々であるご都合主義的な展開に関してはそういうものだ！みたいな感じで流せてしまうぐらいには作風がしっかりとしていて読み手を納得させる力があります。

ご都合主義的な所でもうちょっと粘って欲しかったと思う所こそありますが先程の通りそれすら気にならない出来になっています。

評価点数:90点

・まとめ

細かいこと捨てて素直に楽しめるゲームになっています。
重すぎず、軽すぎずそれでいて楽しく読み応えがあるという非常にバランス良く高クオリティーなシナリオ、個性あるキャラ達、場に合わせて聞き心地の良いBGMと総じて満足度の高い構成になっています。

特筆すべきはやはりシナリオ。今までにない熱い青春ものは一読の価値ありです。
PULLTOPファンとかではないので過去作とかを気にせずにプレイできたのもあるとは思いますが非常に良い作品になっているかと。
一部気になる点こそありますがそこは次回作で頑張って欲しいところです。

総じてバランス良く作られていてクセが無い上に今までになかった内容になっていることもあってエロゲ初めての方だけでなく数やってきた方にもオススメできると思います。
これは是非多くの方にプレイしてもらいたい作品です。

続きからって機能が知りたくて。
やって覚えろというだけなのです。

わ、わざわざ見てくれてありがとうとか思ってないんだからね///