猫の足跡 『古色迷宮輪舞曲』レビュー
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『古色迷宮輪舞曲』レビュー


「古色迷宮輪舞曲 ~HISTOIRE DE DESTIN~」2012年7月27日発売予定



古色迷宮輪舞曲
~HISTOIRE DE DESTIN~
メーカーyatagarasu
原画稲垣みいこ、雪月竹馬、たぢまよしかづ
シナリオ西村悠一、坂元星日
点数93点



八咫烏最新作の古色迷宮輪舞曲、これで「ふるいろめいきゅうろんど」と読むそうです。最初は「こしょくめいきゅうろんど」だとばっかし思っていましたがラジオ聞いて答え判明ってところです。



あらすじ
童話喫茶、童話の森という喫茶店でバイトを始めたその日、七波行人の前に一つの木箱が届けられる。
不審に思いながらもその箱を開けると中には大量のうさぎのぬいぐるみ、そして銀髪に赤い瞳をした少女だった。サキと名乗るその少女は行人に告げる、
「運命の輪が狂っている、そして七波行人は一週間後に死ぬ。また近しい者達にも死の運命が待っている。助かる方法はただひとつ、狂った運命の輪を元に戻すことだ――――」


やっぱりあらすじは難しい

謎解き物ですねー、なかなかにやりごたえがありますし難しい所が非常に多い
ループ物としてしっかりとした評価をされても良い作品ですよ、それは間違いないですね。謎解きとして伏線無しで展開が進むという邪道は無しで先の見えない話、最終的に全ての謎が綺麗に収まる構成は見事。また、どのキャラも格好いいです。ここ重要



さて、ネタバレを極力減らして書きたいところですが今回にいたっては難しいのでストーリー気になる方は要注意です。
感想だけなら後で雑記として書くので最悪それまで待って貰えば・・・

いつもどおり下記からになりまする

システム面
まず本作はセーブ機能がありません。ただしく言うとシーン毎にオートセーブはありますが任意でセーブは不可、一応中断機能がありますが当然のごとく一度選択すればもうその中断データは使えません。
後は最近よくあるシステムボイスも無いですし選択肢へスキップとかそれらも無し、言ってしまえばボリューム調整と文字表示、オート進行速度、全画面とウィンドウ切り替え、メッセージスキップの条件などがある程度。

セーブ機能がないのでそれに付属する物が全部ないのとファンクションキーでのショートカットも無しってのが一見して分かることですかね。ショートカット機能はここ最近マウスジェスチャーなんかもあっただけに物足りないですな。

さて、それはひとまず置いておいて今作で最重要のポイントを

言葉(キーワード)
今作では選択肢が一切無く話の分岐点においていくつものキーワードから適した物を選択して物語を進めていく作りになっています。
キーワードを選ぶポイントでは必須どころでは文章送りも止まりますが基本的には止まらず右下の表示に気づかなければ物語を変えるべきところで変えることができないという展開もありえるため作中でもある「一瞬に注意しろ」というのがプレイ中にも必要なことになります
特に音声半聞きの方は注意しないと見落とすことが多いのでは、またセーブ機能やバックログにジャンプするのができないので逃したらちと面倒な事になります

選択肢式と違って自分で答えを考える必要があるのが非常に面白いところ。最初にこの機能を使うのが紅茶を淹れるところなのですが事前の手順を覚えておかないとこの時点でボロボロになることから一部では紅茶ゲーと言われたり言われなかったり
このキーワード機能で自分もゲームに対して考える必要があり覚えておく必要もあるのでこのあたりが任意セーブ不可と合わさって面白いところになっています。


そしてシステム全部に影響するのが
運命量
言い換えればヒットポイントという感じでしょうか。基本的にキーワードを使う場面だったり物語の重要点で減ったり増えたり一気になくなったりするもの
運命の輪に関わっている人達にはこの運命の輪が割り当てられており物語を進めるためにはこの運命量をなくさずに進める必要があります。
これに関しては七波行人にも運命量がありキーワード間違えることで減り対象のキャラも減りゲームオーバーは結構ある展開になるんじゃないかなと思いますね。

後述のフローマップでもこの運命量は影響するのですが七波行人を除けば個別キャラではキーワードの使い方とあわせて運命量の管理が非常に重要です。
最悪死んでリセットさせるとか多分ザラですよ・・・増やす方法はあまりないですので

良くも悪くも今作で最も重要な要素になっていてシステム的な進行だけではなく物語中でも意味があるものです。複雑というかプレイする側では面倒なものですがコレがなければ本作の評価は間違いなく低くなっていたと言っても良いと思っています。

そして最後にフローマップ
セーブはできない本作ですが七波行人の運命量を使うことで過去のイベントをもう一度見ることができたり先がわかっているのであればそこまで飛んだりすることができます。
選ばなかった分岐を見るのに使ったりどうしても思い出せないことや分からないことがあればこの機能使ってね!ということです。

フローマップというよりは星座に見立てた展開図というところでしょうけど見てわかりにくというか配置の意図が分からないのが気になったところですね。物語通りに並んでいるわけではないので何か意図があるとは思うのですけど・・・
あとフローですが章毎の移動の際に各章の始点を経由する必要があるのが手間でしたね。ここらへんどうにかならなかったものか。

と、この3点が今作で重要なところであり特徴的なところですね。今作評価する際にこのシステムを受け入れられるか受け入れられないかでだいぶ変わると思いますが個人的には非常に面白い点。
ただ万人受けはしないであろうところでしょうか。一般的なノベルゲームを期待、純粋に物語が読みたいって方も多いでしょうし賛否両論って感じですね

その他はまぁ必要なものだけひと通り揃っていたというところです。フローマップに関しての不満点が若干ある以外は問題ないかと。

全画面切り替え等の際自分のモニタに合わないというのを聞きましたが普通に合うと思うのですよね・・・一応メジャー所は選択できるようになっていますし自分は問題なくできたので。なのでこの点はスルー。不確定すぎますのでね


音楽
なんで音楽鑑賞ないの・・・?今用意しているとのことですのでまぁ良しとしましょう。サントラ買わなくて済むと思えば・・・

エンディング曲はノーボーカル1曲、キャラ個別エンドとかあってないようなものですがせめてボーカル曲が欲しかった
OP曲はプレイ後に聞くともう素直な歌詞って感じですね。あと何だかんだでムービーもいい味出ているとは思いますよ。まぁ普通というところでしょうか。
作中BGMに関してはどれも落ち着いたような曲調が多かった感じ、あんまり曲数は多くないのかな。こればかりは音楽鑑賞がないので具体的な数が言えないですね・・・数えそこねとか出てきそうなので
あとHシーンですが音楽2種類欲しかったかなと、シナリオの時にも触れますが合ってない感じがありましたので。

まあ普通というかちょっと物足りない感じがありましたねー、盛り上がりどころでの一押しが足りないってところです。


演出、デザイン
効果音の使い方や場面切り替えは丁寧でくどくないというところ。普通と言えばそれまで。
音楽面でも言えることですが今作、このあたりに関して何か特記するポイントというのが少ないのですよね。

デザインに関してでは星座をモチーフにしているところが多いのはわかりますが言ってしまえばそれまで、作中でトランプ、月、星は確かに意味がありますがそれとは関係のないデザインが目立つ感じです


キャラクター、シナリオ
さて、ネタバレ注意

まずはキャラクター全般について。
複数原画ってことでそれぞれの担当は公式サイト参照ってことで。一応関連があるキャラは原画統一という感じになっています。男性陣は美月美星担当の方が全員描いていますがなかなか格好いいデザインじゃないかなとは思います。
キャラ個別設定で誕生日もないしスリーサイズも出てないってのは珍しいかなー手抜きと言えばそこまでなのですけどね。
総キャラ数が多くないのでキャラ付けはその分主要陣に限ってはしっかりと出来ています。特にサキはさすがのメインヒロインと言っていいでしょう。
今作は言ってしまえば七波行人とサキの物語であると思っていますのでメインヒロインはサキ、それ以外全員がサブキャラと捉えても良いものだと考えています。なので他キャラの扱いが悪いのは気にならないってところですね。このあたりも捉え方によって大きく評価が変わると思います。

なお今作、七波行人にもボイスがありますよ。フルボイスではないですけど。七波行人にボイス付いたあたりからが間違いなく本編になりますしそこまでいくと七波行人にボイスがある理由もわかってくるんじゃないかなーと思います。

登場キャラが少ないからかボイスはほぼ全員にしっかりとありますしどれもイメージ通りじゃないかなと思います。恭平のホモホモしい雰囲気が何故か印象に残っていますね・・・あれは変態のオーラですよ間違いなく。

上手いこと個性が出ているのは当然ですがどのキャラクターも格好いいというかブレないところがありますね。

分岐エンドはバッドエンドを除けば存在しませんのでメインとなるサキとの物語の途中として一葉、和奏との話であり美月美星の物語に触れるだけになっています。
一応クリア後にありえた可能性として結ばれている話がありますがその程度。あくまで彼女達は主演にはなりえないのですよ。
個別エンドはないですが美月に関してはだいぶ込み入った内容になっていますね。まあ彼女も重要なポジションにいるので当然ではありますけどね


さて、何度も言っていますがその重要人物筆頭のサキに関するつまりシナリオ全般に言えることになります。

物語は下手なあらすじの通り運命の輪を元に戻すことが目的であり七波行人は死の運命を回避するためにも必要なことになっています。
運命の輪に関して基本的にサキと行動して謎解きを行うのが序盤、運命の輪が何なのかを理解するのが中盤、そして運命の輪を戻すために行動に出てラストにつながると大きく3つに分かれている構成です。
序盤は徹底しての伏線撒きとミスリードになっており下準備を行う段取りですね。あくまでこの当たりは本質ではないのですが謎解きを行うのであれば一番楽しいところですね、色々考えることができるポイントです。
また序盤終了はあくまでプロローグだったという感じ。

中盤、つまり物語の下地を理解したうえで運命の輪に深く関わる話ですが一葉と和奏はここでの出番がメインとなっています。
ここでは七波行人の変化を見せるシナリオとなっており和奏はそれに怯え一葉はそれを支えるといった所なのですかね。言葉を濁すと説明できない。
また美月という人物にも深く関わっている話です。一葉と和奏と関わり美月美星相手に運命の輪というに立ち向かうイケメンシーンです。ええ、イケメンシーンです。あと今作で一番重いパートになります。
また美月の話に入るあたりでボイスが入ります。つまり2回目のターニングポイントってことです、ここからも七波行人君イケメンシーンです。

あとここでのバッドエンドはいわゆる全滅エンドってのがありましてね・・・これはフロー回収に必須なのですがこのエンドを見ると中盤に入るくだり全部が消えるというクリア後にやって大後悔が待っています。もうなんかゾクゾクしますよね、こういうの。心躍ります

そして最後のパート。
ここは謎が明らかになり物語が終わりに向かうところです。この辺りで七波行人になぜボイスがあるのか、古宮舞の役割とは、そしてサキとはと様々な物が明らかになります。
若干分かりにくいところがあるのですがポイントは主観です。
AとBの2人が同時に見るものは主観の違いから決して同じ物とは限らないってことを分かればこの出来事一連の流れは分かるはずです。


なかなかに複雑な話になっているところがあるのですがループを上手く利用しただ遡るだけではなくまた一筋縄ではいかないというのが本当に面白い話となっています。
システム構成上若干めんどうなところがありますがそこさえ乗り切ればループものとしてかなりの完成度の作品になっています。
またここでは言えない彼女の存在も大きなものとなっています。言うなれば妹好きは是非やってくださいというところですね。


Hシーン、各キャラ2回ぐらい。短い
これネタバレすぎて言えねーよ!公式でHシーン上がっているのが3人だけってのから察してくれとしか言えない。
一応サキのはあると言っておく

内容としては短い、差分少ない、あのキャラのフェラがない等おまけ程度にくっついている感じです。
あとシーン的に行為はしているけど決して好き同士でやっているのではないってシーンがあるのでそれと好意があってやっているシーンではBGM変えて欲しかったですね。

でもサキはかわいいよ!服半脱ぎエロいよ!

CG総数は差分抜きで各キャラ25枚ですかね。大体ですけど


総じて
さて、個人的には言ってしまえば物語だけでみればはつゆきを越え、ころげてを超えた作品と言ってしまえます。
しかし総じての完成度みればシステム、音楽等で物足りないや不満に思う所もありますが自分はシナリオを最重要として考えることから本作は間違いなく名作であると言えます。
なによりシステムは自分の好みに直撃でありやりごたえがある。そしてプレイヤーもこの作品においては役者の1人であるというのもまた憎い演出であります。これこそ主観という本作のテーマの一つだと思えるところを意識させてくれています。
何よりネタバレを気にせず○○が××だという展開が心躍ったという話をしたくなったというのが面白かったことを表していると思います。

もちろんこの作品は賛否両論が結構ある作品です。万人受けしないこその評価ですがつまりハマる人にはとことこんハマる作品。
ですが手間がかかるからこそブレること無く真っ直ぐとしたストーリーは高クオリティで非常に心躍りそして何より七波行人の行動力と格好良さは読んでいて飽きない本作です。運命に立ち向かう2人の童話を是非、読んで上げてください!そして本作に対して、あなただけのクオリアを、運命を変えるということを理解してもらえたら幸いです。


最後に、フロー埋めでお世話になったサイトを紹介して終わりにしたいと思います。
古色迷宮輪舞曲 フロー攻略
[ 2012/08/21 18:14 ] レビュー | TB(0) | CM(0)
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